中国ビジネスの疑問一問一答

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中国ビジネス "法務"の一問一答Q&A

中国において、契約相手の履行不能が予期された場合に、直ちに契約を解除することはできますか。

一方的に契約を解除することはできません。

 

例えば、A社がB社から商品を特注する契約を締結したとします。契約にはB社が規定日までにA社指定の品物を加工し、A社が約束の出荷予定日の1週間前に商品代金を支払うと明記されています。

 

契約規定の支払日に至り、A社は請求書を受け取りました。しかしB社は自社責任により、消防局に生産停止を命じられ、再開予定が暫く見通せなく、契約規定の納品日に間に合わないとしました。そのため、A社が契約の解除と自社の支払い義務を免除すると主張し、且つB社に契約違反の責任を請求しました。

 

裁判所の判決により、本契約はまだ履行日になっていなく、A社は契約相手の履行不能が予期されるという理由のみで、一方的に契約を解除する主張は認められませんでした。

 

■背景:

中国「合同法」に基づき、契約は規定日まで双方に効力あります。片方の責任による履行不可が予期されるとしても、一方の主張により解除することは認められません。

 

本件で、A社の他の救済手段について「契約相手履行不能時の対処について(二)」をご覧ください。

中国において、契約の事前履行時に予定外の費用が発生した場合、負担はどのようになりますか。

事前履行した側に負担してもらえる可能性があります。

 

例えば、A社がB社から商品購入する契約を締結したとします。契約には納品日が定められ、B社が規定日に商品をA社指定の倉庫まで運び、A社は検品完了後に商品代金を支払うことと明記されています。

 

しかしB社は自社倉庫が満杯になったため、A社の了承を得ず商品を規定納品日前に倉庫まで届けました。 B社としては商品の品質を確保するための行為でした。

 

A社も倉庫に空きスペースが無かったため、B社の行為は契約の事前履行であり無効だと主張しました。

 

裁判所の調停により、本契約自体が有効と見なされ、A社は商品を受け取り、B社は予定以外の保管費用を負担する事になりました。

 

B社は商品の品質確保の観点から商品を事前出荷しましたが、保管場所がないため契約の履行を認めないというA社の主張が、正当だと見られた事になります。

 

■背景:

中国「合同法」に基づき、契約が規定日より繰り上げ履行された場合でも契約自体は有効と認められますが、相手が履行時間を守らない事で発生した費用は、負担を要求する事が可能です。

中国において、契約未成立時に発生した費用を、契約相手に負担してもらう事は可能でしょうか。

負担してもらえる可能性があります。

 

例えば、A社がB社から商品を仕入れる合意をしたケースについてです。おおよその仕入れ量と単価は合意日に話し合われましたが、具体的な量は契約締結日に確定すると約束したとします。

 

数日後、契約締結日についてA社からB社に確認したところ、B社からは「10日後に契約する」との回答がありました。

そのためA社は、合意した量を調達し、B社に受取りの通知を送りました。

 

しかし、B社は返事せず、商品の受取りも行いませんでした。

B社は、合意した当初の単価が高いと判断したためです。

 

B社は合意を放棄したいとの主張をしました。

しかし既に商品を調達したA社は、やむを得ず値引きした上で販売したため、損失分はB社に負担してもらうと主張しました。

 

この場合、B社に契約締結上の過失があると判断され、A社の主張が認められます。

 

■背景:

 

中国「合同法」に基づき、正式に契約締結せず、合意が得られた場合でも、一方から「10日後に契約締結する」などと明確な回答があり、かつその約束の反故により被害を受けた場合、相手に契約締結上の過失があると主張することで、損失を負担してもらうことができます。

中国において債権者が、債務者が放棄しようとした債権から回収することは可能ですか。

可能です。

 

例えば、A社がB社から100万元の融資を受けたとします。また、A社はC社に対して債権を有しているとします。
返済日に至りA社が償還できない状況です。この時、A社はC社に対する債権を放棄すると宣言しました。

B社はA社が債権放棄した件を知り、「取消権」と「代位権」で自社の権利を主張する事ができます。

 

■背景:
中国「合同法」により、債権者には債権を放棄する権利があります。ただし、他者の権利を損なう場合を除きます。
この例では、表面的にはA社がC社の債務を免除しただけですが、実のところはB社の権利を損なったと見なされます。

B社は、A社の債権放棄の行為に対する取消権を主張すると同時に、A社が債務を履行しない場合、A社に代わりC社に債務償還の代位を主張することもできます。

中国において契約を締結する場合、片方が契約書に捺印/サインしなくても契約が実際に成立する可能性はありますか。

あります。


例えば、A社がB社から商品を購入する契約を締結としたとします。契約書にはA社だけが捺印した状態でしたが、A社は商品代金をB社指定の口座に振り込み、商品の出荷を要求しました。

 

しかしB社は自社が契約書に捺印していない事から、契約が不成立であると主張し、値上げを通知しました。

 

このような場合、A社からの送金を受け入れたことで、B社が捺印していなくても、契約が成立したと見なされます。

 

■背景:
中国「合同法」により、書面で契約を締結する際サインや捺印する前、何れかの当事者が契約の主要義務を履行し、相手が受け入れた場合、契約が成立したとみなされます。

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