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中国人幹部が中国人部下を育てる:上海茉莉林纺织品有限公司

【中国人幹部が中国人部下を育てる】

「中国人幹部が中国人部下を育てる」ことを、上海茉莉林纺织品有限公司は実現している。

上海茉莉林纺织品有限公司の日本本社は、繊維専門商社モリリン株式会社という業界大手である。従業員650名、売上1000億円を超える企業であり、中国拠点は工場や流通センターを含めて14ケ所。中国進出の歴史は戦前からと非常に長い。長年、変化の激しい日中関係や急速に成長する中国市場に対応してきたことで、中国における人材育成手法が蓄積され、今では他社との競争力の一つになっている。

最近では「中国企業を開拓する営業部隊」も確立できており、部隊を率いているのは中国人部長である。

今回はその人材育成手法について、就任7年目の野田総経理からお話を伺った。

【自社にあった人材育成を】

-人材育成のきっかけは-

 

 以前は、不定期に開催される公開研修には中国人社員を派遣していました。他社社員と接触することが刺激になり、良いと思うこともありました。

 しかし、人材育成を真剣に考えると、公開研修では限界があると思いました。公開研修の内容は画一的で、講師は受講生を盛り上げることを主として話をします。確かに盛り上がるようで、受講者からは「面白かった、やる気になった」と報告を受けることもあったのですが、実務的かどうか、研修内容が本当に受講生の記憶に残るかどうかは疑問でした。また、複数企業が集まっているので当然ですが、自社の課題に合わせてくれません。

 重要なのは自社の状況に即していることです。そこで、どうせお金と時間をかけるのであれば、中途半端ではなく、徹底的にやろうと決断しました。

 我が社の課題を把握して、解決のための研修内容を設計し、1年間で具体的成果を実現してくれる会社をいろいろと探して依頼することにしました。

 上海埃和希企业管理咨询有限公司とは、2013年からなので3年目になりますが、当時から何度も打ち合わせをできたことは良かったと思いますよ。自社の課題をしっかりと説明して、その内容に対応してもらうことは本当に大事ですね。

【階層別の教育で効果を得ている】

-ありがとうございます。初回の育成対象は中国人部長クラスからでした-

 

 上位役職者から1年ずつ教育を行い、部長クラス、経理クラス、副経理クラスと展開しています。組織は上司の指示によって動いています。部下が能力を高めても、上司が昔のままの考え方で動き方を変えた部下を受け入れられず、叱責するようなことになっては意味がありません。だから上司から取り組みました。

 また、研修を受けた者たちは、翌年の研修の支援をするようにしました。つまり、部長クラスは翌年の経理クラスの研修を支援するということです。共通の研修を受けているため、マネジメントや指示・報告の手法について共通言語ができており、経理クラスの人が実務で悩んだときには部長が助言することができます。これにより、研修の内容を実務により活かしやすくなったと思います。

 さらに、上位役職者が教育を受けて能力を高めているというのは、部下たちにとって良いモチベーションになります。自分も研修を受けたいと思ってくれている社員もいるようです。

【中国企業への営業戦略は中国人に考えてもらう】

-中国企業向けの営業体制も確立できてきました-

 

 そもそも中国国内販売は以前から重要テーマでした。

 しかし動いてみると、日中関係のタイミングが悪かったこともあり「日本人からは買わない」と言われることが多かった。それならばと人材紹介会社で中国人営業マンを募集したのですが、お客様のニーズを聴いて提案するような営業ができる人は見つかりませんでした。いろいろ訊いてみると、ニーズを聴いて営業ができる優秀な営業マンは起業して自分で会社を持っているとのことで、採用は難しいとのことでした。

 

 ここからが営業部隊育成のスタートです。

 営業マンではなく「お客様の話を聴けそうな人、素直に吸収して育ちそうな人」を私が直接面接、採用し、育成しました。採用した人の中にはいろいろな方がいてましたが、今の営業部門の責任者は私が直接面接して採用した者です。しっかりと育ってくれて、営業マンを育て、部門を引っ張ってくれていると思います。

 営業マンはお客様にとって価値ある存在になることが役割です。押し売りでも御用聞きでもありません。価値を提供し、対価としてお金をもらうのです。その「価値」を提供できる存在となるために、生産管理やトラブル対応、ヒアリングやプレゼンテーションなどしっかりと学んでもらいました。

 特にこの中国では、トラブル対応が重要です。

 営業マン一人ひとりにトラブルから逃げずに、丁寧に、確実に対応していくよう指導をしていくしかありません。これができようになると対中国のトラブルに辟易している日本企業はもちろん、内販相手の中国企業とも信頼関係が築けます。

 さらに販売する製品を作っている自社グループの工場に対しても主導権を握ることができます。その結果、営業部隊主導で同業の中国企業に対してODMができるようになります。

 この主旨を営業部門の中国人責任者に伝え、中国人部下達を日々指導、育成してもらっています。中国企業へのアプローチを考えるのは、日本人では難しいです。方針を理解した中国人に任せたほうが良いですよ。

※ODM:Original Design Manufacturingの略語。相手先のブランドでの製品を設計・生産すること

【総経理が当たり前のことを徹底する】

-人材育成で気をつけていることは-

 

 誰でも知っているような基本と言われるようなことだけですよ。

 「相手を人として尊重して接する」「頭ごなしに言わない」「人前で怒らない」「一対一で丁寧に話をする」など。誰もが一度は聞いたことがあることですよね。

 あと信賞必罰は絶対です。

 良いことも悪いことも、日本では予想のつかなかったことが起こります。良いことはしっかりと褒め、悪いことは厳しく罰する。つい同情したくなることがあっても、時に冷徹な判断も必要だと思います。逆に良いことをしてもらったのならば、存分に褒め、一緒に喜んで良いのではないでしょうか。

 結局は、自分がされて嫌なことをしない、自分がされて嬉しいことをする。これらを徹底してやることだけなのかもしれませんね。

【忘年会当日の成果発表会は効果的】

-一年間の教育成果を成果発表会で確認頂いています-

 

 学んだ内容と業務を改善した結果を発表する場があるのは良いですね。発表するからこそ、本人たちもしっかりと取り組み、準備する。毎年、堂々たる発表を嬉しく思ってます。

 また、忘年会直前の一時間で行うことで、忘年会に「頑張った人を称える場」という意味が加わったように思います。発表の緊張感が解けた幹部たちが盛り上がり過ぎることもありますけど、これも研修の一部と思って嬉しく見ています。

【やる気のある中国人は是非来てください】

-引続き積極採用の方向ですね-

 

 目標数値の達成を真剣に考えている会社です。稼いだ人に対しては報奨があります。入社直後から稼ぐことは難しいので、活動計画、教育体制、日々の上司からの指導など支援体制も充実させています。

 そもそも中国人主体の会社で、副総経理を筆頭に部長クラスなど幹部はやる気のある中国人社員に活躍してもらってます。日本人社員はアドバイザーになることを目指して経営してます。

 やる気がある中国人の方は是非連絡をください。一緒に頑張りましょう。

【率先垂範が大事】

-日本企業へのアドバイスをお願いします-

 

 山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」のとおりです。

 特に中国人社員は日本人のことをよく見ています。日本人総経理の行動次第でいくらでも変わりますよ。

 日本人が二日酔いで遅刻して出社していたら、中国人社員も当然だらしなくなります。

 日本人がミスを隠した報告をしていたら、やはりマネをされます。

 遅刻しない、事実を報告する、スケジュールや仕事内容を明らかにする、机を片付けるなどやって見せられることは全て総経理自らがやってみせることが第一歩です。

 後は報告や相談しやすい雰囲気を作ることでしょうね。誰だって怒られそうな上司に報告や相談はしたくないものです。

 

 

-ご協力、ありがとうございました。今年も成果発表会が楽しみです。引続きよろしくお願いします-

 

取材協力:上海茉莉林纺织品有限公司 http://www.moririn.cn/

聞き手:上海埃和希企业管理咨询有限公司 河野隆

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