中国進出 成功企業レポート

顧客満足と人材育成でトップシェアを実現

顧客満足と人材育成でトップシェアを実現~製造:理光(中国)投資有限公司
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顧客満足と人材育成でトップシェアを実現~製造:理光(中国)投資有限公司

顧客満足と人材育成でトップシェアを実現

 中国におけるオフィス用複合機器のシェアは、日系企業が上位を維持している。
 中国系や台湾系の競合に打ち勝ち、同業の日系企業と差別化を図るためには、高い顧客満足と効果的な人材育成が維持し続けなければならない。
 広大な中国で、安価な汎用消耗品(トナー、インクなど)などの問題を乗り越えながら、着実にシェアを伸ばしている秘訣を、リコーグループの上海法人、理光(中国)投資有限公司の間中副総経理に伺った(聞き手は弊社董事長の河野)。

【「お役立ちの精神」が中国人社員に浸透】

-競合が多い中、高い顧客満足で中国のシェアを伸ばしています。その取り組みを教えてください。-

 

 「お役立ちの精神」がリコー全社のポリシーです。国や職種に関わらず、本気で取り組んでいます。 この精神を中国で根付かせることが、私たち日本人駐在員の使命です。

 この「お役立ちの精神」を、今の中国では「お客様も気づかない課題を、リコーが発見して解決すること」と解釈しています。

 

 最近のオフィス機器は高性能です。

故障もしにくいですし、印刷とスキャンなどの日常的な使い方ならば、不自由もありません。

 だから、複合機の営業担当者達がオフィスを訪問して課題を訊ねても、「困っていることは無い」とほとんどの方が回答されます。

 ただ、信頼関係を築き、詳細をヒアリングしていくと解決すべき課題が見えてきます。

 例えば、日系製造業の研究開発部門でのことです。 特にお困りのことは無かったのですが、詳細をヒアリングすると改善の余地が明確になってきました。

 この部門では、印刷した図面でデザインレビュー(設計仕様の見直し)を行い、コメントを全て書き込んでいました。これは開発完了まで保管し、その後に破棄されていたそうです。 このような管理だと、図面を参加者全員に紙で配布する、レビュー内容の記録にバラツキがある、保管と破棄に手間がかかるといった課題がありました。 そこでスキャナーによる図面管理を導入いただき、まず利便性を高めていただきました。 その後、デザインレビューそのものを電子ホワイトボードで行うようにしていただきました。

 そうすると、紙で図面を配布しないのでセキュリティ保持ができるようになりました。電子ファイルならば、社内の指定端末以外で閲覧できないようにシステムで制限できるからです。

 この取り組みは、中国人参加者にとって、「メモが増え、共有されるお互いのアイデアが増える」という想定外の成果も生み出しました。この成果を本人たちに訊いてみると「これまで、紙にメモをしなかったのはどうせ捨ててしまうから。電子ファイルは必ず保管するし、スマホやタブレットでメモすることは日常慣れしている。」とのことでした。

 改めて中国人の合理性、実務性を実感した出来事です。

カスタマーセンターでお客様の運用サポートも充実

-お客様に複合機を購入頂いた後の運用サポートが充実しています-

 

 WeChatによるカスタマーセンター対応をしています。

 以前は電話対応のコールセンターだけだったため、月曜日の朝など、どうしても回線が混雑してつながりにくい時間帯ができてしまっていました。これをなんとか解決しようと導入したのが、WeChatを使ったカスタマーセンターです。

 購入いただいた複合機に何らかの不調が生じたお客様は、お客様個人のWeChatからリコーの公式アカウントにアクセスしていただき、チャットでカスタマーセンターまでメッセージを送っていただきます。

 

 チャットメッセージを受け取ったカスタマーセンターは、迅速にサービスマンの手配を進めます。

 不調解決のためにお客様に訪問するサービスマンは、GPSでリアルタイムの位置情報が判るようになっているため、カスタマーセンターのオペレーターは、メッセージを頂いたお客様に最も近いサービスマンを派遣することができます。上海の中心地ならば1時間位、上海郊外であっても2時間以内を目標に対応できるように取り組んでいます。

 また、機械トラブルなどのメンテナンスなどを行った訪問の場合には、三日後にフォロー電話をして再発状況などを確認しています。

 尚、カスターマーセンターがWeChatメッセージを受けるシステムは、弊社が契約しているWeChatビジネスサーバーを利用いただくため、お客様の個人情報やチャット履歴などが、WeChat運営会社などに無断で活用されることはありません。言わないと判らないことだとは思いますが、このような情報セキュリティ保護に取り組むことも、弊社の責務だと考えています。

中国全土のテクニカルコンテストで5500人のスキルアップを実現

-リコー大学を始めとした中国人社員向けの育成制度が充実しています-

 

 階層別研修など、社内教育制度は社内外の講師によって運用しています。

 リコー独自として特に力を入れているのは、お客様と直接お会いするサービスマンのスキルアップです。

日々進化する各製品の知識は当然必要なのですが、それだけでは不十分です。

 お客様のオフィスにおける課題は実に様々です。コピー機が想定外の使われ方をして故障することもあります。その解決力を高めるために、「リコーテクニカルコンテスト」を行っています。

 これは、サービスマン達がお客様のオフィスに伺った際、それぞれの課題に対してどのように解決するのかをロールプレイングで評価するものです。

 評価項目は、複合機のメンテナンスはもちろんのこと、お客様の心のメンテナンスもします。当社の複合機に不具合があったことで、短時間であってもお客様はお困りだったはずです。その気持ちを汲む対応をします。

 その上で、どのような使い方をして、なぜ壊れたのか、再発しないようにするにはどうしたらよいのかを明確にします。

 これらの対応をロールプレイングで行ってもらいます。

 複合機のマニュアルは、中項目だけでも500個ありますが、このテクニカルコンテストでは、マニュアル持込禁止です。つまり、全て覚えていることが参加条件です。それでも全国5,500人のサービスマンたちが参加し、地方予選を勝ち抜いた者たちで全国大会決勝を行っています。

 毎回、非常に盛り上がる素晴らしい取り組みだと思っています。

紙の資料を電子化することでセキュリティを強化する

-複合機以外のサービスでもシェアを伸ばしていますね。在中日系企業で最近、ニーズが多いものを教えてください。-

 

 過去の紙ベースでの資料が大量にあって、どうして良いか判らないという企業様が増えています。駐在員が数年で交代すると、前任の方の資料はとりあえず保管されているものの、破棄の可否を判断できないようです。

 また、業種によっては法定保管義務が10年間の文書もあります。このような事情から、企業様では結果的に大量の紙ベースでの資料保管になってしまっています。

 紙の資料は、大量になるほど探しづらくなるので活用できなくなります。そうなると、保管の意味が無くなってしまいます。

 そこで私達は、紙ベースの資料を電子化する「ナレッジデータベース」のご支援をしています。

 まずスキャンによって電子化し、タグを付けて、容易に検索できるようにします。

 そしてOCRで文字検索可能にすると、過去の知識の集大成となる「ナレッジデータベース」にすることができます。必要なキーワードで検索すれば、関連する情報を引き出すことができるようになります。また、Excelなどの他ソフトで分析することも可能です。

 業種ごとの活用事例としては、製造業では過去の不適合報告書や改善事例を他拠点で共有する、商社では取引情報や人事情報を読み込んで傾向を分析する、ということがあります。

※OCR(Optical Character Reader) 手書きや印刷された文字を読み取って電子テキスト化すること。


情報セキュリティ導入は早期に

-日系企業にアドバイスをお願いします。-

 

 情報セキュリティ導入に関するご相談は、以前から多く頂いているのですが、最近は導入の際、お客様の中国人社員から「うちの会社で何か事件があったのか」と訊かれることがあります。

 つまり、情報セキュリティ強化をする以上、何か事件があったのだろうということです。

 多くの場合は事件などありません。通常は、日本本社からのコンプライアンス徹底指示などがきっかけです。

 しかし、中国人社員はそう思ってくれません。「特に事件は無い」と本当のことを説明しても、「話せないような深刻な事件があったのか」と不審がられてしまいます。

 そのような事態を防ぐために、情報セキュリティは、総経理交代タイミングや新規の大口取引開始時など、なんらかのきっかけに導入してください。

 組織の人数が増えれば、必ず情報セキュリティは必要になります。いずれ必要になるのであれば、早目に導入してください。

 早目に導入しておけば、中国人社員の不審も生まずに済みますし、なにより情報漏えい事件発生リスクを初期段階から軽減できます。

 

-ご協力、ありがとうございました。-

 

 理光(中国)投資有限公司の方と打合せをしていると、中国市場に「中長期視点で向き合っている」ことが伝わってきます。

 中長期視点で向き合ってきたからこそ、実現に時間と費用を要するサービスマンの育成コンテストや、WeChatを活用した短時間サービスマン派遣システムなどを構築し、運用できているのだと思います。

 これからの中国市場では、理光(中国)投資有限公司のように中長期視点を持ち、かつ、これまで以上に中国市場や中国人社員達にとって価値があることを考え、提供できるようにしていかなければ勝ち残っていけないのではないでしょうか。

 

取材協力:理光(中国)投資有限公司 http://www.ricoh.com.cn/

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