中国ビジネスの疑問一問一答

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中国ビジネス "財務・税務"の一問一答Q&A

中国事業の撤退時の注意点があれば教えてください。

特に注意が必要なのは、以下三つの相手です。
1)従業員
 「経済補償金」を支払わなければなりません。基本的には、勤務年数1年間につき1ヶ月分給与の相当額を支払うことになります。法定の最低限で合意が得られない場合もあるので、事前に慎重な対応が必要です。
 また、組合に相当する「工会」がある場合、合意も必要となります。
2)現地政府
 現地商務部門の許認可に加え、工商、税務、税関、外貨、統計、財政、社会保険などさまざまな抹消手続きが必要です。現地政府にとって企業撤退は、税収入減となるため円滑に進まないこともあるので、慎重に十分な準備が必要です。
 また、経済特区など進出時に優遇を受けた企業や、税務上コンプライアンス違反を隠している企業は、手続きが一層困難になるため、詳しい弁護士に相談してください。
3)事業パートナー
 日本本社独資の場合はさほど問題になりませんが、中国側パートナーとの合弁会社の場合には、自らの出資分だけでも取り戻そうとすることもあるため、トラブルになることもあります。清算手続きには「董事会の全会一致」が不可欠なため、中国側パートナーの協力が得られない場合、手続きさえ開始できないということもあります。
また、法人清算後、中国側パートナーが会社の特許情報やクライアントの機密情報を持ち出し、競合会社に販売するという事案もあるので、注意が必要です。(2020年3月)

新型コロナウイルスにより、企業の経営状況に多大な影響が及んでいます。上海市では、企業経営に対しどのような支援政策がとられていますか。

上海市では、「沪28条」と呼ばれる28項目の政策が通知されています。この内、「企業負担軽減政策」と「雇用安定に向けた支援政策」として、主に以下のような政策がとられています。

 

【企業負担軽減政策】

・納税申告期限の、最長 3 ヶ月の延長が認められています。なお、滞納金や罰金は課されませんが、事前に所轄税務局の審査・許可を取得する必要があります。

・新型コロナウィルス感染拡大による経営が大きく影響される業種の企業は、2020 年に発生した損失の繰延期間を通常の 5 年から最大 8 年まで延長することができます。

(「国民経済行業分類」に基づくと、「困難な状況にある業種」とは、交通運輸業、飲食業、ホテル宿泊業、旅行業の四大業種を指します。また、 2020 年の総売上の内、当該四大業種に関わる売上の割合が 50 %以上であることが条件とされています。)

 ・公益性社会組織や、県級以上の人民政府および部門などの国家機関に対し、感染拡大防止や治療のために現金及び物資を寄付した企業は、寄付相当額を全額税前控除することができます。 

 

【雇用安定に向けた支援政策】

・「稳岗补贴」が本年度も継続して施行されます。前年度の失業率が3.92%以下、及び上海市産業調整政策、環境保護政策に適合する企業、尚且つ失業保険を納付している企業であれば、前年度納付した失業保険(会社分+個人分)総額の50%を、採用安定の補助手当として企業に還付されます。

・社会保険料の基数調整が、従来の4月 1 日から7 月 1 日に変更されます。本年度も基数は上昇する見込みですが、調整が3 ヶ月遅れる事により、企業の保険料負担が軽減されます。

 ・本年度における医療保険の会社負担比率が、 0.5 %引き下げられます。

 ・勤務形態の多様化が推奨されています。給与や勤務時間の調整、年間休日の前倒しの使用など、従業員との協議を経て柔軟に採用する事が可能です。

 

*3月16日まで上海市政府が発表した政策に基づきます。

「沪28条」URL:http://www.shanghai.gov.cn/nw2/nw2314/nw2319/nw12344/u26aw63478.html

「営改増」関連
小規模納税人は「増値税専用領収書」発行できませんか?

2018年2月1日から、建築業、鑑証諮詢業、宿泊業、工業及び情報発信、ソフトと情報技術服務業の小規模納税人でも、月間売上が3万元(あるいは、四半期売上が9万元)を超えた場合、自社内での発行申請が可能となりました。

増値税専用領収書の税金還付聯(抵扣联)を紛失してしまったのですが、どうすればいいのですか?

増値税専用領収書の領収書聯(发票联)のコピーを使って、還付認定や簿記することができます。

 

※参考
中国税務局が発行した増値税領収書の受領と使用手順を簡略化にする告知:【国家税务总局关于简化增值税发票领用和使用程序有关问题的公告】(国家税务总局公告2014年第19号)

上海の記帳代行会社でおすすめがあれば教えて下さい。

上海では多くの会社が日本語対応可能で、多様な価格帯で対応してくれます。

二つの大手グループ企業では6000元/月~、それ以外では2500~4000元/月が相場です。

必ずしも価格と質は正比例ではなく、大手でもミスを多発して追徴金を課せられることがあったり、担当者の対応が悪く不愉快に思われることもあります。

おすすめは大手からスピンアウトした方が所属する中小企業で、大手での豊富な経験と知識を持ちつつ、大手では出来なかった丁寧な対応をしてくれることがあります。

企業の規模や業種によって異なることも多いので、詳しくお知りになりたい方は一度ご相談ください。

経済補償金の計算方法を教えてください。

離職前12ヶ月平均賃金 × 勤務年数 となります。

勤務年数の判断基準や詳しいことなどに関しては、一度ご相談ください。

中国で法人を構える場合、税務経理担当者の雇用は必須なのでしょうか?可能であれば、進出当初は駐在員が対応することを考えています。

中国会計法により、会計業務に従事する者は、国家資格を有する事が義務付けられています。そのため、会計士の雇用か、もしくは記帳代行業者への外注が必須です。

なお、法人設立手続きの段階で税務登記をしますので、それまでには税務経理担当者を決定する必要があります。

中国で獲得した利益は、日本法人に持ってこれるのでしょうか?

出資会社として利益配分することはもちろん、コンサルティングフィーとしての支払いなどで対応することが可能です。 名目や経由方法により、税率が変わることもあります。 これは、中国における事業展開ビジョンや進出業態から詳細に検討し、最適な方法を選ぶ必要があります。 特に税率は、やり方によって異なる場合がありますので、注意が必要です。

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