中国進出 成功企業レポート

中国ビジネス成功例 
認知ゼロから販路を確立

包装資材:認知ゼロからの中国企業への販売
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  3. 中国ビジネス成功例/認知ゼロから販路を確立~包装資材:東洸(上海)商貿有限公司さま

包装資材:認知ゼロからの中国企業への販売

【価格競争には入らない】

 「中国企業への販売」-認知度の高いトップブランドでも無ければ、中国で実現することは容易では無い。

 実際、多くの日系企業が中国で苦戦している。

 そんな中国で、東洸(上海)商貿有限公司はわずか二年で中国企業への販路を確立し、発展を続けている。  

 日本本社の株式会社東光は1961年創業、和洋菓子の包装資材を企画・製造・販売し、拠点は10支店3工場と業界大手。しかし中国では提携工場も顧客企業も無く、100%外資企業としてのスタートであった。

 ゼロからの創業で、短期間で中国企業への販売を実現したポイントを、東洸(上海)商貿有限公司の総経理田村一樹氏と主任陳捷氏に話を伺った。

 

-営業方針を教えて下さい-

 「自分たちにしか出来ないものを売ろう」と言い続けています。中国に無いものを提案していこうということです。具体的には、機能やデザインで差別化できる製品です。

 例えば、最初の取引となったケーキ用のある製品は、原紙が中国では入手できないため、スイーツを取り扱っている中国系チェーン店では「他店スイーツとの差別化になる」と喜んで導入いただけました。

 また、北京のスイーツチェーン店では、売れ筋のケーキで使用する包材を導入いただいています。この包材は耐熱性に優れているため、ケーキの仕上がり、つまり外観や食感に良い効果をもたらすことができるものです。この包材を使わない限り同じケーキが作れない、マネされないということで非常に喜んで頂き、継続的に納品させていただいております。

 このようにお客さまにとって役立つものを探しだして提案する活動だからこそ、中国の企業様に評価いただけているのだと思います。

 そもそも、価格競争では中国系同業他社に勝てる訳がありまえせん。だからこそ機能やデザイン、品質はもちろんのこと、受発注対応や顧客への情報提供など私達にしかできない差別化を徹底しています。特に情報提供では、日本でのネットワークから得られる情報の中から、中国顧客に役立つものを厳選することで、評価いただけている自負しています。

【日本企業としての良さには徹底的にこだわる】

 「日本企業だから」と期待されていることには、製品や営業でも徹底的に応えるようにしています。

 昨年から中国国内で製造した製品も販売していますが、一切妥協はしていません。そのため、製造してもらう仕入先企業さんにもかなり協力をしてもらっています。何度も通い、言うべきことは言います。時に言い合いになることもありますが、絶対に妥協しないようにしています。

 また、受注処理などもミスがないように気をつけています。お客様からの発注は、メールや電話だけでなく、WechatなどのSNSまで多岐にわたります。見逃すことが無いような社内ルールを試行錯誤で作りました。これは今後も進化させなければならないと思っています。

【市場を創りだす】

-日本の情報を積極的に提供していますね-

 日本のスイーツ業界は、非常に洗練され、種類も豊富で、消費者にとってとても魅力的なものになってです。

 中国のスイーツやベーカリー関連企業には、そのような日本の業界に強い関心を持ち、積極的に情報収集している企業があります。数年前から日本人パティシエを招いて勉強会を開催している中国企業もありますよ。 だからこそ、弊社のような存在が日本の情報を提供し、スイーツをより魅力的に見せるための包材を提案することに評価いただけていると思っています。

 日本では見慣れているクリスマス用のパッケージや記念日用のラッピングなどは、まだ中国では普及していません。弊社からの提案で、徐々に導入いただいている中国企業は増えてきています。今後、中国でのスイーツは、より魅力的に、より楽しく購入いただけるものになると思いますよ。

【未回収は営業担当者の責任】

-中国企業からの未回収に悩む日系企業は多いです-

 代金が未回収となるのは、お客様の都合だとは思っていません。

 未回収となるのは、営業担当者の責任です。その自覚を最初から持って活動すれば、書面での記録も残すし、不安な企業との取引も控えます。

 また商談の中では、相手を感動させるほどの熱意を持って、ビジネス以上の付き合いをしたいと思わせるような人間関係を作り上げるようにします。これは接待うんぬんではなく、相手の社内評価を高めるように仕事上で支援したり、提案したりするということです。 その際、相手は中国人となるので、日本企業的な発想ではなく、メンツや自尊心、向上心などにも十分配慮した柔軟な考え方が必要です。

【愚痴言わない、不遜にならない、感謝する。】

-日本企業へのアドバイスをお願いします-

 未だに日本本社の愚痴を言う駐在員もいらっしゃるようです。恥ずかしながら私もそうでした。

 中国人社員のいない時に言うのだと思いますが、やっぱり愚痴を言っていると、態度に出ます。その態度を中国人社員が敏感に感じ取ります。愚痴や悪口を言うリーダーに付いて行きたいと思う人はいないと思います。 愚痴を言いたくなる気持ちはとても良く判りますが、やはり言わない方が良いと思います。

 実際、私も愚痴を言わなくなってから、取引先も増え、社員も全力で頑張ってくれ、色んな方々に助けていただけるようになったと思います。 だからこそ、毎月の会議では、「愚痴言わない、不遜にならない、感謝する。」は必ず振り返るようにしています。

 「不遜にならない」は、赴任していると周囲に自分を厳しく指導してくれる人がいなくなってしまうため、忘れがちになるためです。この点は日本人として忘れないようにしています。

 「感謝する」は、本当に大事です。これまで、本当に多くの方々に助けていただきました。実績もない時に信頼して仕事を任せていただいたお客様、細かな仕様にきちんと対応頂いた仕入先様、公私共に多くの助けを頂いた赴任者の方々・・・皆様への恩を忘れないようにしています。

 

 -御社の中国法人の創業時から比較すると、総経理の考え方が大きく変わったと思います。考え方の変化、人格的な成長がそのまま業績に反映されているのだと思います。引続き頑張ってください。 ご協力、ありがとうございました-

 

 取材協力:東洸(上海)商貿有限公司 http://www.tokoshanghai.com/

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